海外旅行を検討中に知っておくべき情報は多岐に渡りますが、必要な情報を必要な分だけ選んで調べるのは中々に骨が折れますよね。初めての台湾旅行であれば尚の事バッチリ計画するのが難しい。しかし、その面倒な作業は当サイト(ワンダラーズ)で省けます。
では肝心の台湾の話ですが、台湾は日本語が通じ易い親日な国であり、日本から近いので週末の2連休だけでも訪問が可能。更に果物が美味しく治安も良いので初めての海外旅行にもおすすめですよ。
- 台湾旅行は決まったんだけど、どの都市に行くか悩んでるんだよね。
- 台湾の観光シーズンとか日本語の通用度とかが知りたいなぁ。
- 何を調べたらいいのか分からないけど、とにかく台湾に行きたい。
と感じている方に向けて、世界50ヵ国を旅して英語がペラペラになったワンダラーが、台湾旅行を検討中に知っておきたい情報を一挙にご紹介します。
この記事を読んで、次の旅行先をバシッと台湾に決めちゃってください!
台湾の基本情報
首都 | 台北(タイペイ) |
時差 | 日本時間から-1時間 |
水道水 | 飲めません |
電圧とプラグ | 110V / 60Hz / 主にA型 |
通貨(2022/09現在) | 台湾元(1TWD=4.56円) |
ビザ(日本国籍の方) | ビザなしで90日間滞在可能 |
公用語 | 台湾華語(中国語の一種) |
英語の通用度 | 日本と同じレベル |
【国土と国民に関して】
台湾(中華民国)の面積は約3万6千㎢(九州の約80%の広さ)であり、周囲を海に囲まれた“島国のような場所”です。と言うのも日本政府と中国政府は台湾を国家としては認めておらず、中国の一部だと認識しているから。
台湾の方々は「我々は中国人ではなく台湾人だ」と主張しており、人柄や性格も確かに中国人とは違うように感じますが、行政区分としては殆ど中国扱いな訳ですね。人種としても原住民族は人口の2%程度とされており、残りの98%は中国本土からやってきた漢民族です。
日本では台北や高雄といった都市部が有名な台湾ですが、実はかなり自然が豊かな場所。海に囲まれているからというのも勿論ありますが、台湾には3,000mを超える山々(最高峰は標高3,952mの玉山)と巨大な渓谷、更に長さ100kmを越える河川が6本も存在します。
【お金に関して】
台湾の通貨は台湾元1種類のみですが、呼び方や表記はNT$、NTD、圓(ユェン)など複数存在します。基本的に単位は何であっても意味は同じですので、数字の部分だけを見て金額を判断して問題ありません。
台湾のお店やホテルではクレジットカードが使える場合が殆どですので、大金を持ち歩く必要はありません。また、必要であれば「台湾元⇔日本円」の両替は日本国内の国際空港でもできますが、現地(台湾国内)の国際空港・ホテル・街中の両替所でも可能です。
台湾にチップ文化は存在しないため、小額紙幣を大量に準備しておく必要はありません。但しチップに理解はありますので、特別なサービスをしてもらった場合には、お金を渡しても失礼にはあたりません。
【トイレに関して】
以前の台湾では紙を便器に流すことが出来ず、備え付けのゴミ箱に捨てるのが一般的でした。理由はトイレの水圧が非常に弱く、トイレットペーパーも水溶性ではない為、細い下水管を詰まらせてしまうから。
しかし2017年3月に環保署からトイレに関するお達しがあり、台湾のトイレ事情は首都台北の公衆トイレを中心に改善されつつあります。ですので現在の台湾では、紙を便器に流すタイプとゴミ箱に捨てるタイプの2通りが存在しています。壁に貼られた注意書きやゴミ箱の有無から、どちらのタイプなのかを判断しましょう。
また一部のトイレでは、個室内ではなく洗面台周辺にトイレットペーパーを設置している場所があります。用を足す前に紙を取って個室に入るということですね。
- トイレには荷物棚やフックがない為、S字フックを持参すると役に立ちます。
- 洋式トイレの便座に靴で登って用を足す人がいる為、除菌シートがあると便利です。
- ゴミ箱にトイレットペーパーを捨てる際は、汚れた面を下にするのがマナーです。
【言語に関して】
台湾の公用語は中国語の一種である台湾華語でして、日本人でも多少は漢字から意味を想像することが可能です。また、空港及び都市部のホテル・観光地などではある程度の英語と日本語が通じます。
英語が通じるとは言っても決して「英語の通用度が高い国」という訳ではなく、英語能力指数ランキング(2018年度-PDF版)では世界88ヵ国中48位(日本は49位)といった具合であり、「低い英語能力」に分類されています。
筆者も過去に3回ほど台湾に足を運んだことがあるのですが、台湾(特に地方)では英語の通用度が低く、話せる方でも訛りが強い印象でした。田舎の観光地に行くときは、ボディランゲージ・紙とペンを使った筆談・電卓・写真を駆使することになります。
台湾の治安情報
台湾の都市部には至る所に監視カメラが設置されており、公共の場は勿論のこと駅のホームからバスの車内まで監視の目が行き届いています。その甲斐あって、台湾の治安は世界的に見ても非常に良いとされていますね。
日本を含む他の国と同様に夜間の犯罪率は上がるものの、人通りの多い繁華街であれば危険な犯罪は殆ど起こりません。スリと交通事故に気を付けておけば、夜間に女性が1人で出歩いても問題ないかと思います。
但し、カラオケ・バー・ナイトクラブ・風俗・キャバクラなどのお店が集中している場所は、繁華街であっても事件が起こり易い傾向にあります。危険な雰囲気を感じ取れる自信がない方は、前もって宿で最新の情報を教えてもらうと良いですよ。
その他、各国がどれくらい平和であるかを表す指標として「世界平和度指数ランキング」という統計データがあるのですが、2022年度のデータでは日本が10位で台湾が30位(世界163ヵ国中)でした。
日本と順位を比較すると安全面に疑問が残るところですが、世界規模で考えると30位でも全体の上位20%に含まれていますね。
治安以外のリスク
台湾で気を付けるべきは犯罪よりも交通事故。警察当局の統計によると、2020年の台湾における年間の交通事故発生件数は362,393件(日本は309,178件)でした。日本の人口は台湾の約5倍ですので、交通事故発生率は日本の約5.8倍ということになりますね(別の年でも凡そ5~6倍)。
台湾の交通マナーは非常に悪く、ウィンカーを出さないのは当然のこと、周囲を見ずにバックや発進をする、狭い道でもスピードを出す、赤信号無視は日常茶飯事です。そして厄介なことに台湾は車優先の国なので、歩行者が安全に注意を払う必要があります。
台湾のバイク保有率は世界一位とも言われており、1.8~2人に1人はバイクを保有しています。通勤・帰宅ラッシュの時間帯、都市部の交差点付近では上の動画のような状態になり交通事故の発生率が上がります。
手元(地図やカメラ)に気を取られていると、渋滞を追い抜こうと歩道を走ってきたスクーターと接触事故を起こす可能性もあります。周囲には十分に気を配ってくださいね。
【台湾には日本国大使館がない】
海外でパスポートの紛失した(盗難にあった)場合、通常であれば日本大使館で「帰国のための渡航書」を発行してもらいます。しかし日本政府は台湾を国として承認していない為、台湾には日本大使館がありません。
帰国のための渡航書と呼ばれる、帰国に使う旅券の発給方法だけ簡単にご説明します
- ✚マークを押すと見れますよ。
- 現地の警察で事情を説明し、紛失・盗難の証明書を貰う⇒紛失・盗難の証明書を台湾出入国及移民署に提出し、パスポートの紛失記録表(黄色い紙)を貰う⇒日本台湾交流協会の領事窓口に顔写真2枚・手数料710元・パスポートの紛失記録表を提出し、帰国のための渡航書を貰う(この際、身分証か身分証のコピーが必要)。※1, 台湾出入国及移民署及び日本台湾交流協会は平日のみ営業しています。
※2, 帰国のための渡航書で台湾を出国する為には、出境登記表(ピンクの紙)も必要です。出境登記表は、日本台湾交流協会か空港の出境審査窓口で手に入ります。
その他、外務省も安全対策に役立つ情報を提供しているので、不安な方は目を通してみてください
各都市の観光シーズン
台湾は果物天国とも呼ばれる場所。食べることが旅の目的であれば、どの都市に行くにしてもベストシーズンは雨季である6~8月です。この時期には多くのマンゴーやパイナップルが市場に出回り、糖度が高く新鮮な果物が安価で手に入ります。
ベストシーズン以外でも果物は食べられますが、冷凍品である可能性が高く味が格段に落ちます。また、夏の風物詩であるカキ氷も冬には味わうことができません。
次に観光目的で台湾を訪れる場合ですが、活動の拠点になるのは国際空港のある大都市になる可能性が高いので、ここでは台北と高雄の2都市に絞ってご紹介します。
台北(台湾北部)の観光シーズン
亜熱帯気候に属する台北の観光シーズンは乾季である10~3月ですが、ベストシーズンと呼べるのは、乾季の中でも温かく日照時間の長い10月・11月・3月です。
ベストシーズンであっても日本と比較すると雨が多く観光し辛い面がありますが、温暖な気候なので寒くて困ることはないでしょう。冬に日本から向かう場合は、マフラーやTシャツを一枚減らして観光する感じですね。
反対に台北の雨期(4~9月)は雨が多く気温が高いので、非常に蒸し暑くなります(日本と同様に室内は冷房が効いています)。航空券やホテルの値段は下がるものの、6~9月には台風も発生するので観光向きとは言えません。
高雄(台湾南部)の観光シーズン
高雄は台湾南部に位置する熱帯気候の都市であり、雨が少なく暖かい乾季と雨が多く蒸し暑い雨季に分かれています。一見すると台北と同じように感じるかもしれませんが、高雄の乾季は台北よりも暖かく雨が少ないので更に快適、雨季は台北よりも湿度が高く肌がべたつきます。
観光シーズンは乾季である10~3月(台北と同じ)ですが、ベストシーズンと呼べるのは、乾季の中でも比較的涼しい11月中旬~3月上旬です。
反対に高雄の雨期(4~9月)は雨が多く気温が高いので、非常に蒸し暑くなります(日本と同様に室内は冷房が効いています)。航空券やホテルの値段は下がるものの、6~9月には台風も発生するので観光向きとは言えません。
台湾の旧正月に要注意
観光目的で台湾を訪れる場合、旧暦のお正月である旧正月を挟んだ大型連休(平均8日間)は避けるべきでしょう。旧正月の期間中は営業していない店が増えるだけでなく、ホテルの予約が難しい上に道が渋滞し観光地も非常に込み合います。
旧暦は月の満ち欠けを基準に1年を354日としており、3年に1度だけ閏月(うるうづき)と呼ばれる13月を設けることで太陽暦とのズレを解消しています。
その結果、通常の暦で確認すると旧正月は毎年変わりますので、航空券を購入する前に渡航する年の旧正月の大型連休を確認する必要があります。大抵は1月下旬~2月頃に来ますので、他の月に行かれる方には無関係なイベントです。
各都市へのアクセス
日本国民が台湾に渡航する場合、観光目的での90日以内の滞在ならビザは不要です。入国時に台湾を出国する意思を確認されることがありますので、前もって予約済み航空券などを印刷しておきましょう。
日本から台湾へは様々な航空会社が直行便を就航させており、便数も多いので苦労することはないかと思います。現地での移動時間やルートをより詳しく知りたい方は、マップ左上の「拡大地図を表示」をタップして経路を検索してみましょう。
観光目的で初めて台湾に向かう場合、目的地は台北か高雄になる可能性が高いので、今回はこの2ヵ所に絞って簡単にご説明します。また、ここでは割愛しておりますが、チャイナエアライン(中華航空)を利用すれば台中にも乗り継ぎなしで向かえます。
台北(台湾北部)へのアクセス
フライト区間 | フライト時間の目安 |
成田ー台北(直行便) | 往路:03時間55分 / 復路:03時間25分 |
羽田ー台北(直行便) | 往路:03時間40分 / 復路:03時間10分 |
大阪ー台北(直行便) | 往路:03時間00分 / 復路:02時間50分 |
福岡ー台北(直行便) | 往路:02時間35分 / 復路:02時間20分 |
名古屋ー台北(直行便) | 往路:03時間10分 / 復路:02時間50分 |
その他の国際空港 | フライトを検索する |
台北近郊には日本からの直行便が就航している国際空港が2つあり、多数の直行バスが空港同士を繋げるように運行しています。日本に帰国する際に空港を間違えないように注意しましょう。
- 台湾桃園国際空港:市内まで約50km(車で約40分)の場所にある、利用者が多い大きな国際空港。
- 台北松山空港:台北の市内(中心地から北に約5kmの場所)にある、国内線がメインの比較的小さな空港。
台湾桃園国際空港から台北市内へは、地下鉄(MRT)・高速バス・タクシーで移動することが可能。最も速い移動方法は地下鉄(MRT)で、快速列車を使えば市内まで約35分で到着します(運賃160元)。
高速バスを利用した場合は市内まで約60分かかりますが、24時間運行しているという強みもあります(運賃150元)。空港のターミナルにあるチケットカウンターで料金台北を支払い列に並びましょう。
台北松山空港から街の各地にも地下鉄(MRT)やバスで移動できますが、おすすめはホテルや観光地まで直行できるタクシーですね。日本と異なり台北のタクシーは安い(初乗り70元=約320円)ので、筆者は積極的に利用してます。
高雄(台湾南部)へのアクセス
フライト区間 | フライト時間の目安 |
成田ー台北(直行便) | 往路:04時間00分 / 復路:03時間45分 |
大阪ー台北(直行便) | 往路:03時間20分 / 復路:03時間05分 |
福岡ー台北(直行便) | 往路:02時間50分 / 復路:02時間50分 |
名古屋ー台北(直行便) | 往路:03時間55分 / 復路:02時間55分 |
その他の国際空港 | フライトを検索する |
台北とは異なり、高雄の空港は比較的小さな高雄国際空港1つのみ。高雄の街に隣接している高雄国際空港から街の中心までは約10km(車で約20分の距離)です。
高雄国際空港から高雄市内へは、 地下鉄(MRT)・バス・タクシーで移動することが可能。最も速い移動方法は地下鉄(MRT)で、市内まで約15分で到着します。運賃が35元(約160円)と安いのですが、イージーカードと呼ばれるチャージ式のICカードを利用すると15%の割引が得られます。
バスで市内に出る方法もありますが、乗継がややこしいのでここでは割愛します。最後はタクシーですが、高雄のタクシーは24時間利用でき、街の中心まで20分程度で着くので非常に便利ですが、料金設定が少々ややこしく
- 初乗り料金:85元(約390円)
- 空港待機料金:50元(約230円)
- 深夜割増料金:20元(約90円)
- トランク使用料:10元(約45円×荷物の個数)
※1元=4.56円(2022/09現在)で計算しております。
台湾では日本語が通じる
日本と同じように誰でも流暢に日本語が話せるという訳ではありませんが、台湾では片言の日本語が通じることが多々あります。これには理由が主に3つありまして
- 日本が台湾を統治していた時代があり、日本語が話せる台湾人が多いから。
- 台湾で日本語は人気の高い言語であり、日本語を勉強している人が多いから。
- 日本からの観光客が多く、日本語への対策に力を入れている企業が多いから。
端的に言われてもイメージが湧き辛いかと思いますので、1つずつ掘り下げていきましょう。
日本語が話せる台湾人が多い
台湾は1895年から1945年までの約50年間に亘り日本に統治されていた国であり、この期間は台湾人の学校教育も全て日本語で行われていました。当時の台湾で言うところの「小学校から始まる8年間の日本語教育」ですね。
更に日本の統治が終わりを告げた後にも、私立大学に日本語学科が設立されたり、教育テレビに日本語講座が設けられたりと、台湾から日本語が消えることはありませんでした。このことから、年配の方を中心に流暢な日本語が話せる台湾人は多いと言えます。
日本語を勉強している人が多い
日本語を勉強している台湾人が多い理由は、「日本語は台湾で人気の高い言語だから」です。では何故日本語の人気が高いのかというと、理由は主に3つあり
- 台湾では日本のテレビ番組やアニメが日本語(中国語の字幕付き)で放送されており、若者を中心に日本のアニメは非常に人気が高いから。
- 日本に統治されていた時代の名残で、身近に日本語話者がいる人が多いから(祖父母が日本語を話しているのを聞いて興味を持つなど)。
- 日本は台湾の近くにある先進国であり、日本語を学んでおけば就職先の幅が広がる上に日本旅行も楽しめるから(人気旅行先の上位には、常に日本がランクインしています)。
これらの理由から台湾で日本語は大人気であり、2018年の日本語学習者数は17万人を超えています。
尚、翌年2019年の日本語能力試験(JLPT)を受験した台湾人は約4万3千人なので、日本語学習者の4人に1人は試験を受けるほど勉強しているということですね。
日本語への対策に力を入れている企業が多い
日本語への対策に力を入れている企業が多い理由は主に2つあり、1つは近隣の先進国である日本に支部を持つ台湾企業が多いから。もう1つは台湾に訪れる日本人観光客が多いからです。
これは2019年(コロナ前)のデータですが、台湾を訪問した外国人観光客の数は約1100万人。これに対し台湾を訪問した日本人観光客の数は約200万人となっています。つまり観光客の5~6人に1人は日本人であり、観光業界における日本語の需要が非常に高いと考えられます。
また、残りの外国人観光客(約900万人)の半数以上は中国人ですので、台湾人から考えると「中国語は既に話せるから勉強するなら英語か日本語」となる訳ですね。
まとめ
今回は台湾旅行に必要な情報を浅く広くご紹介しましたが、如何でしたでしょうか?日本語が通じるのは中々に興味深いですよね。
まだまだ深く話せる部分は多いものの、旅行に行く目的であれば十分な情報量かと思いますので、今回はこの辺にしておきます。
繰り返しになりますが、「2月頃に渡航する場合は旧正月を避ける」という点と交通事故(特に二輪車)には気を付けてくださいね。